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「双頭の性」 高橋一起・作

渋谷区で同性パートナーシップ条例が議会に提出されたというニュースがありました。

このニーュスを見て、そういえば積読していた本の山に、こんな本があったな~と思い出したのでこの本を積読の山から掘り起こして読んでみました。

この本は高橋一起・作「双頭の性」という本で、ストーリーは、性転換により女になったはずが、老齢により今や性別さえさだかではない主人公・薫。ある日、同じくゲイである友人・アコが手紙を遺して焼身自殺をした。「葬式のかわりに、森のテラスで午餐を開いてほしい」。そして指定された料理は彼らの自殺方法を暗示していた・・・。

性同一性障害の主人公と同じ性同一性障害の周りの友人たちの、老いて世間から爪はじきに会い追いつめられた状況を書きつつ、ミステリー要素も含む小説になってます。

社会的な問題も扱いつつミステリー要素もあり純文学のようなテイストもありで、なかなか無い感じで面白かったです。

読んでわかったのですが、この小説の登場人物は性同一性障害でありゲイとはまた違うんだという事です、ゲイはたとえば男性なら男性のままで同じ性の男性が好きなのであり、性同一性障害は体と心の性が一致してない人のことなのです。

まあ渋谷区の同性パートナーシップ条例はゲイの方たちも性同一性障害の方達も含むんだとは思いますが。

この小説は2005年に出版されていて、あとがきにはこの本を書くのに、20年かかったと書いてありました。

こんなに時間がたっているのに法的拘束力のない条例しか決まっていないいっていうのは遅すぎる気がします。

日本はアメリカのように宗教的な障害もないし江戸時代は盛んだったらしいので、なんでなんだろうと思っていたのですが。

今回、同性パートナーシップ条例の事をネットで調べてみたら、結構反対意見もあったのでびっくりしました。

ホモきもいとかの意見は論外としても、多かったのは少子化を助長するとかっていう意見でした。

こういう意見を出す人は想像力が無いのでしょうか?これは同性愛者の人に異性と結婚して子供を産めと言っているでしょうか?これは女は産む機械だと言った政治家と同じぐらいひどい事です。

それとも、私が想像もつかない、風が吹いたら桶屋が儲かる的な遠大な仕組みがあるのでしょうか?

そもそも、少子化を問題にするならもっと他に非難すべき政策があると思います。

正直、無理やりこじつけて反対しているようにも見えます。

そういえば昔読んだ本で、ラマチャンドランの「脳の中の幽霊」という本があるのですが。

この本は今で言う脳科学の本で、手や足を失ったのにその無くなった手や足がまだあるかのように感じる現象、「幻肢」の研究成果を書いた本です。

そこには色々な実験をされているのが書かれているのですが、その中の一つの実験で、ゲイの人たちを嫌悪する所謂ホモフォビアという人達とゲイに対してなにも思って無い人達をあつめて、潜在的にゲイの素質があるかどうかの実験をしたところ、ゲイに対してなにも思って無い人達に比べて、ホモフォビアの人達の方がゲイの素質がある確率が高かったそうです。

ちなみに集められた人達は自分ではゲイだとは思ってないそうです。

この実験の結論は、人間の脳とは都合の悪い事やアイデンティティの崩壊の危険がある時に自分を護るために脳が勝手に判断して記憶の改ざんを行うといったもので、ホモフォビアの人達がゲイを攻撃するのは自分はゲイとは違うんだという証明のためにやっているのではないかとのことです。

だから同性愛者を非難して攻撃する人達はもしかしたら攻撃する事で自分を護ろうとしている可哀想な人達なのかもしれないなとも思いました、まあだからと言って人を攻撃してもいい理由にはならないですけどね。

この「双頭の性」という本には性同一性障害の人達の苦悩が書かれています、ヘテロセクシャルの私には完全には理解出来ないし、気持ちはわかるよとは軽々しくいえません、きっと言葉にできないご苦労や悩みがあるのだと思います。

そして、この小説にこめられたもう一つのテーマに老いというのがあります、少子高齢化が問題になっている昨今では、これは他人事として見る事は出来ないしゲイや性同一性障害者じゃなくても問題になってくるのだと思いました。

それら考える上で是非この本を読んでみて欲しいと思いました。



双頭の性。 (新風舎文庫)双頭の性。 (新風舎文庫)
(2005/07)
高橋 一起

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脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)
(1999/08)
V.S. ラマチャンドラン、サンドラ ブレイクスリー 他

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