本とTシャツと私~クラフトワークスKyotoより愛をこめて~

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「天使」 佐藤亜紀・作

本を読むことは物を食べることと良く似ている気がします。

たとえば、ライトノベルなんかはお手軽に食べられるがたいしておいしくないファストフードみたいです、安くて速い。

ライトノベルも大量生産されていてすぐ読める所が似ている、それから恋愛小説は甘いお菓子、どちらも女の子が大好きです、私も好きだけど読み過ぎると胸焼けしてきます(ーー;)

同じ素材を使っても作り手が違えば美味しさも大分変わってきたりします、そこらへんもよく似てる気がします。

その例えでいけば今回紹介する本、佐藤亜紀・作「天使」は老舗の一流フランス料理店のフルコースを食べたかのような了読感がありました。

実際にフランス料理のフルコースは食べたことないんですけどね(笑)おそらくこんな感じだろうな~という想像ですが・・・

文章は重厚だけど繊細、淡々としているようでいて行間からは匂い立つような激情がかんじられる。ともすれば読みにくいとも思えるくらい。

無駄な文章が削ぎ落とされていて、ともすれば意味のわからない所も出てくる、最終的には解るのですが注意して読まないと理解出来ないような書き方で、読む方にも一種のテーブルマナーのような技量を要求してきます。

一種の緊張感も感じながら、それでも最後のデザートまでバランスよく、あっという間に食べさせられました。

大変満足です。

佐藤亜紀・作「天使」は第一次世界大戦下のヨーロッパが舞台、ある特殊な能力を持つジョルジュという少年が異能者たちを集めた諜報組織で訓練を受け、徐々に戦争に巻き込まれていくという話です。アクションも恋愛もあり。

古い洋書のような文体で歴史書のようなストーリーの中にSF小説のような超能力という要素が合わさっていて、ジャンルを何かと問われても、どんなジャンルにも当てはまりそうにないです。

超能力と歴史物というと、ともすればライトノベルや漫画みたいになりそうだけどこの本はそんな雰囲気は全くなく、むしろ純文学のような文章で超能力がさも当たり前かの様に書き出されていて、あまりのリアリティーに、実際にこんな人たちが居たんじゃないかと読みながら信じかけてしまいました。

独特な世界観なのにそれになんの違和感も感じさせず、なおかつまるで本当にあった事のように世界が作り出されていて、すんなりこの世界に入れるのです。

文章もポール・オースターか古いロシア文学みたいなのに読みにくい訳でもなく、でもちょっとでも気を抜くと置いていかれる難解さもありで、読んだ後はちょっと疲れてしまいました。

でも、本を読んだー!って感じを十分に味わえる素晴らしい本でした(≧∇≦)

佐藤亜紀さんの小説は今回初めて読んだのですが、他の本も読んでみたいと思いました、しかも「天使」には続編の「雲雀」という本も出ているみたいなのでそれは絶対に読みたいと思います。



天使 (文春文庫)天使 (文春文庫)
(2005/01)
佐藤 亜紀

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