本とTシャツと私~クラフトワークスKyotoより愛をこめて~

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「M/世界の、憂鬱の先端」 吉岡忍・作

ついこの間、世間を騒がせていた事件、神戸女児遺棄事件、女の子が行方不明になり遺体で発見され、しかもゴミと一緒に捨てられていたという信じられない事件。

「M/世界の、憂鬱の先端」、この本を読んだ時、頭に思い浮かんだのはこの事件でした。

この本は26年前に埼玉で4人の女の子が誘拐されて殺された事件の犯人、宮崎勤の内面を追ったノンフィクション作品です。

小さな女の子が被害者という点と異常な死体の状況それが二つの事件と重なりました。

犯人に関してはまだなにも分かっていませんし、本当に犯人なのかも判然としません。

女の子が犯人とされている男の診察券やたばこの吸い殻と一緒に捨てられていたことに関してなぜそんな直ぐにばれる様な事をしたのか本当の犯人は他に居るのではないのかいう事まで言われています。

確かにそう言われるとおかしいしここは慎重に捜査をして欲しい所ではありますが、この本を読むとこれぐらい異常なことをする人間はいてもおかしくは無いと思いました。

作者の吉岡忍さんが長い年月をかけて書かれているだけあって、とても分かりやすくそしてこの事件は終わった事ではなくこれからも考えていかなければならないと思わせました。

この本のを読んで恐ろしかったのは、ニュースなどでは異常な人間とされていた宮崎勤の人生が本当に普通の人生といってもいいものだったからです。

宮崎勤が犯した犯罪は異常で常軌を逸している事はたしかだけど、宮崎勤の人生は特に異常というほど特別な物はありません、両親が不仲とか身体障害(周りの人間は気が付かないくらいの障害)がコンプレックスとかそれぐらいしか問題はなかった。

逆にいえばそれぐらいの問題を抱えている人は沢山います。

くわえて性格は、臆病で小心者、親しい友人は2,3人で学校ではあまり目立たず大人しい性格だったとか。

怪獣のテレビが好きで怪獣博士と呼ばれていて、今で言うオタクの部類には入るものの異常だと言われるような兆候はなにもみられなかったらしいです。

他にも周りのひとの証言、三回もされた精神鑑定、本人からの手紙から色々な検証がされていましたが事件が起こり警察に捕まるまで彼の周りの人間はそこまで異常だとは思ってもいないのです。

ここに書かれている宮崎勤像は誰しも心当たりのあるものではないかと思いました、もちろん私自身にも重なる部分が沢山ありました、自分は常識的な感覚を持っていてそんな異常な事はしないと思っていたけれど、この本を読むとそれを根底から覆されます。

この本は宮崎勤から、「酒鬼薔薇事件」に移りその犯人の人物像にも触れ、その共通点も検証しています。

(「酒鬼薔薇事件」もそういえば神戸で起きている!)

作者はその当時のニュースや世間の動きは宮崎勤や酒鬼薔薇があくまで特別異常な人物だあると騒いでいるが実はそうではないと警告しています。

彼らが特別で自分達はなにも関係が無いとは言い切れない、この事についてもっと検証していくべきだと言っています。

そして話は日本という国の在り方までおよびます。

戦争で残酷な事をしてしまいそれに気付いた日本は、そんな事は忘れたように経済を発展させ環境や生活を変えてきました、その変化の中でそれに対応できない歪みがこの事件なのではないのかと推測されています。

起こった事件がすべて環境や世間の変化の所為とは思いませんが、関係がないとも言えないと思いました。

だからこそこの事件は忘れてはいけないと思いました。




M/世界の、憂鬱な先端M/世界の、憂鬱な先端
(2001/01)
吉岡 忍

商品詳細を見る








スポンサーサイト

テーマ:考えさせられる本 - ジャンル:本・雑誌

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kinusayaenndou.blog.fc2.com/tb.php/66-f0ff0913
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。