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「打ちのめされるようなすごい本」 米原万里・作

秋!秋と言えば読書の秋!

このフレーズも三回目です、飽きたとは思われますが本特集はこれで最後です。

最後に紹介する本は米原万里の「打ちのめされるようなすごい本」です、この本も書評で、雑誌や新聞で連載されていた書評を集めた本です。

米原万里さんはもともとはロシア語通訳の第一人者でソ連時代の大統領、ゴルバチョフやエリツィンがわざわざ指名してくるぐらい凄い通訳者だったそうです。

ずっと通訳をやっておられたが、1995年に「不実な美女か貞淑な醜女か」という通訳の世界の事を書かれたエッセイ本を出され読売文学賞を受賞。そこから執筆活動もされるようになりました。

ついでに米原万里さんはかなりの読書家でそれをもとに書かれた大量の書評を全て集めて作られたのが「打ちのめされるようなすごい本」です。

この本は第一部と第二部に分かれています、第一部は「私の読書日記」で週刊文春で連載されたもの、第二部は雑誌や新聞に掲載された評論文です。

紹介されている本が複重している所が多少ありますが全ページ535pで読みごたえがあります。

米原万里さんも書評が大変うまくて前回紹介した三浦しをんさんの本と同じく読みたい本がまた増えました。

米原さんはかなりエネルギッシュで読む量も半端ないです、初っ端に紹介されている本からして凄いです、「ゴルバチョフ回想録」工藤清一郎/鈴木康雄訳(新潮社 上下巻)、二段組みで各800ページ。

これを“メリハリが利いていて読み進ませる弾み車の滑りが良くなっている”と書いてあって、特に問題もなく最後まで読めたらしい事が書いてありました。

は、はぴゃくぺーじ!しかもロシアの本である、イメージだけだけどロシアの本というととにかく分厚くて読むのが大変そうな感じなのにそれに加えて回想録!私にとっては全く興味の無いおっさんの人生なぞ、お金を積まれても読む気にもなれそうにない。

それを上下巻・・・・

次元が違う、しかも本書には日に7冊は毎日読んでいると書いてありました。

な、ななさつ・・・・

私は一度、一日に何冊読めるか挑戦してみた事があるのですが、朝7時くらいから食事意外はずっと本を読んで、頑張って夜10時くらいで9冊読み切った事があります、だけど読んだ本は薄めのライトノベルでしかもシリーズ物、最後は頭が痛くなりしかもその本は面白くなかった・・・無駄に一日を使ってしまった後悔しか残りませんでした。

一日、本を読む事しかせずでやっと9冊なのに米原万里さんは毎日7冊・・・人間業とは思えません。

ご自分でも本を読むのは早いと豪語されていましたが、相当早いんだと思われます。

書評の書き方もエネルギッシュで褒める所は全力で褒める、駄目な所は駄目とキッパリ、たまに毒舌も飛び出しますが愛のある感じで、しかも理論的に問題点も提示されていてしっかり本の内容を読みこまれているんだなと思い尊敬の念が深まりました。

米原万里さんはロシアの通訳をやっておられたせいか紹介さている本はロシア関係の本が多いです、次に多いのはノンフィクション物、そうなると話は世界情勢や政治の話にも飛びます。ウクライナや中東の民族問題、アメリカの傍若無人なやり方を非難されていました。

そして、今まさに世界はその燻っていた問題が爆発して混沌としている状態です、米原万里さんはこの頃からこの問題に警鐘を唱えていて(この書評は1995年から2005年の間に出されたものです)危惧されていたのだと思うと、今もし生きておられたら今の世界情勢を見てなんと言われるかが気になります。

そうです、実は米原万里さんは2006年に癌で亡くなっています。

もし生きておられたら61歳です。(満56歳没)本当に惜しい人を亡くしたと思います。

この書評は米原万里さんはが亡くなる前の年まで書いていた最後の文章でもあるのです。

第一章の最後の方は癌関係の本を沢山取りあげられていて、色々な癌治療をまさに自分の体で試されていた事がわかります。

それを読むと本当に世の中には詐欺まがいの治療法が書いてある本が沢山あり、藁をも掴む思いで治療しようとしている人たちを食い物にしている悪徳業者がいる事が書かれています。

亡くなってしまっている事を知りながらこの文章を読むのは正直辛かったです。

それでもエネルギッシュに本を読み己の道を突き進んで癌と戦われている姿は勇ましく気高くて心打たれます。

タイトルになっている「打ちのめされるようなすごい本」は書評されている本の事ではなくまさにこの本の事でもあるのだと思いました。

米原万里さんの事はもっと書きたい事がありますが限が無いのでこのくらいにしておきます。

もっと知りたい方は色々出版されているエッセイを読まれる事をお勧めします、文章はとても読みやすく、しかも笑えてついでに世界情勢にも詳しいので勉強にもなります。ニュースではアメリカ寄りの情報しかないですが米原さんはロシアの通訳をやっておられただけあって違う視点から世界を見ていて、常識だと思っていた事が覆されたり、いかにテレビのニュースが信用ならないかも分かります。

それから、米原万里さんは下ネタとダジャレが大好きで、よく捨て猫や犬を拾ってしまう愛情深い人でもあります。きっと拾われたネコや犬は幸せだったろうなと思います。うらやましい。

若いころの写真も見てみてください!すごい迫力美人です!

取りあえず私は「打ちのめされるようなすごい本」を読んで読書欲がまた膨らんでしまったので図書館やAmazonで本を漁る日々が続きそうです。


打ちのめされるようなすごい本打ちのめされるようなすごい本
(2006/10)
米原 万里

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