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「後巷説百物語」 京極夏彦・作

夏と言えば怪談という訳ではありませんが今回読んだ本は「後巷説百物語」です。

夏とはいえもうすぐ終わりですが・・・

相変わらず京極夏彦の作品は鈍器のような分厚さの本でしたがとても面白かったです。

この本は京極夏彦の「巷説百物語」シリーズの3作目の本になります。このブログには書いてませんが一応順番に読んでいての3作目になります、そしてどの本ももれなく鈍器のように分厚い。

でも面白いので読むのはやめられません。

分厚い分厚いと書いてはいますが内容は結構読みやすいです、短編方式になっているので短い話をそれこそ百物語を聞くように読めるのでそこまで苦痛には感じませんでした。

とは言え一話一話は他の短編集に比べたら一話は長いんですけどね(笑)

「世に不思議なし、世、凡て不思議なり」

と言う言葉がこの小説に出てきます。

まさにこの言葉がこの小説の全てを語っていると言っても過言ではありません。

とは言えこの小説を読まないとこの言葉の意味はわかりません。

実を言うと百物語とタイトルになってはいますがそんなに怖くはありません、そして妖怪小説ですが妖怪は出てきません。

しかし、単純な「正体見たり枯れ尾花」って感じでもなく安易に一番怖いのは人間だと結論付けている訳でも無いのです。

この小説は分厚く長いですが長いなりに理由があって読めばそれがわかると思います。

ストーリーは山岡百介と言う小説の戯作者が語り部。百介は全国の奇譚話を集めるのが趣味でその旅の途中で又市という詐欺師に出会い妖怪事件に巻き込まれた所から話は始まります。

このように語り部の百介が又市の仕事に巻き込まれ出会った事件を語るという形式で話は進んでいきます。しかし最初のシリーズ「巷説百物語」と「続・巷説百物語」はそんな形式なんですが。

今回読んだ「後巷説百物語」は時代は変わり江戸時代から明治になり。前作シリーズの語り部だった百介は東京のはずれにある不思議な話を知っている御隠居老人として登場します。その御隠居老人を頼ってくる矢作剣之進らが語り部になって話が展開されていきます。

どちらかと言うと「後巷説百物語」は話の時代が変わった事によって妖怪という概念も変わっていってそれが物悲しくそしてそれが時代が変わるということなんだと表現されていて前シリーズとはまた違う切り口で少し哀しい気持になりました。
でも最後の短編は少ししんみりしつつもなんだかほっこりするラストで了読感はとても良かったです。
この小説の面白い所は実際にある文献を元に作られているらしくとてもリアルに出来ている所です、実際にあったんじゃ無いかと一瞬信じてしまいそうになる精密さです。

というかこれだけ昔の事をよくこんなに調べられるなといつも感心してしまいます。

そして先ほど書きましたがこの小説は妖怪小説ですが妖怪は出てきません。

しかしこのシリーズに限らず京極夏彦の本の文章量を考えると一番妖怪っぽいのは作者の京極夏彦なんじゃ無いかと私は疑わずにはおれません。

実際何かの雑誌で読んだのですが先生は一つの作品を書き上げる間トイレも食事も睡眠も取らずに執筆するそうです(本当かどうかはわかりません)。

・・・どう考えても人間技ではありません(; ̄ェ ̄)

私なんかこの短いブログを書くのに2~3日かかる時もあるっていうのに・・・(^◇^;)まあ、私が遅すぎるということもあるとは思いますが・・・ε-(´∀`; )

このシリーズはあと一作出ていて中心人物である又市さんの若かりし頃の話だそうです。読むのが楽しみです。

最初に夏と言えば怪談と書きましたが、どちらかというとミステリーよりなこの作品。

これからの秋の夜長にぴったりだと思います。「巷説百物語」シリーズいかがでしょうか?

妖怪が書いた妖怪の出てこない妖怪小説(笑)!オススメです。






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