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「白ゆき姫殺人事件」湊かなえ・作

いや〜ものすごく気分の悪くなる話でした(褒めてます)

本っ当に、嫌やーな気持ちになります、それなのに一度読み始めると止まらなくなります、そしてめちゃくちゃ面白い。

相変わらず湊かなえさんの小説は毎回嫌な気持ちになります、そしてハズレなしです。

凄いですよね、色々本を読んでいると同じ作家さんでも、あれ?これあんまり気が乗らなかったのかな?みたいな作品があったりするのに。

まあ、湊かなえさんの作品はそこまで沢山読めてないので全部凄いのかはわかってませんが・・・なんせ読んだらもれなく面白いけど、絶対嫌な気持ちになるんですから。

今の所読んだのはこれを含めて四冊だけです。

精神的ダメージが大きいので読んだ後絶対に半年位は間を置かないと読めないのです。湊かなえさんの作品は一応ミステリーというジャンルなのですが、私にとってはホラーと言っても過言ではない。

今回の話は、化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見され。そこへひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊雑誌のフリー記者、赤星が独自に調査を始める。人々への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。

果たして彼女は犯人なのか。といったお話です。

この話の怖い所は、憶測だけです語られる噂話。そしてそれがネットや雑誌で発表されまたさらに加熱して憶測を呼ぶ。小さな悪意がドラゴンボールの悟空が作る元気玉みたいに沢山集まって事態はどんどん悪化して行くのです。
そこらへんは映画にもなっているのでご存知の方も多いと思います。
疑われた人間はあっという間にプライベートを暴かれて周りの人間の勝手な印象だけですその人がどんな人間なのかが語られる。

改めてネットや噂って恐ろしいなと思いました。

そしてこの本を読んで思い出したのはあのベッキーの不倫スキャンダルです。

週刊誌に出た途端ベッキーの関係者と名乗る人達が語るベッキーの別の顔。

スタッフに態度悪いとか、芸人さんを片っ端から食ってるとか、本当かどうかはわかりませんがそんな話がネットで沢山語られてました。

結構酷いことが平気で書かれています。

それにベッキーの言った事とかやった事が本当であれ嘘であれ、プライベートな事をこんなに晒していあのか?と思う。

もし自分の立場だったらと思うと正直、嫌だ。

しかし!

そんな綺麗事を言っていますが、わたくし芸能人のゴシップを見るのは結構好きなんです!

ゴシップ番組は見れるときは見てますし、ネットも何かしらの芸能ニュースも毎日チェックしてます。

今更感も有りますが塩谷瞬の二股騒動とか爆笑したし愛之助さんの別れた別れてないの騒動は結構ハラハラして見てました、芸能人じゃなくても小保方さんのスタップ細胞の騒動とか野々村議員の号泣会見とか何度もニュースで同じ内容でも、ついつい見ちゃいます。

いや、わかっているのです、ベッキーのスキャンダルなんか例え有名人とはいえプライベートなんか私には関係ないし、付き合ってるとか別れたとか知ったところで絶対自分には一生関わることが無い。

それなのに事件と関係無いプライベートなことまで書かれる事もあるし、無責任に騒ぎ立ててきっと本人は困ることもあるでしょう。

それでも昔からこういった事を見るのはやめられないのです。

自分でも疑問なのです、有名人なんだからしょうがない有名税だという人がいますしそういう側面もあるでしょう。

だからと言ってそれでは納得出来ないくらい追い込まれてる人もいたり、STAP細胞事件の時は死人も出ています。笑い事ではありません。

ベッキーの事だって今までもこの先もテレビで見る以外に関わり合いがあるとは思えない、恋愛しようが不倫をしようが私には何の利害も発生しない。それなのにベッキーは全てをなくしてしまいました。

何で見てしまうんでしょうね?

自分でもわからないんです、正直悪趣味だなとは思うんです、基本テレビやネットを見てるだけですが視聴率や検索率には貢献してるので、見てるだけとはいえ私もこの騒動に少しは加担してるんですがそれでも見てしまいます。

凄いなと思うのはネットに書き込みをする人達です。
もちろん自分の意見を書く事は悪い事ではありません色々な意見を読むのは結構面白いので私もよく読んだりします。

例えばamazonのベッキーの出した本のレビュー、もうボロクソです。

よくこんなに思いつくなと思うぐらいみんな工夫を凝らした罵詈雑言をこれでもかと書いています、本当にたまに上手いこと言うな〜!って思うようなレビューもあって面白かったりします。

他にもネットの書き込みはたまに読むのですがこういったことに関わらず、本当にどうしたの?ってくらい感情的に怒っている人とかがいてビックリします。

いや、お前が何かされたわけじゃないやん!と思わず突っ込みたくなるくらい怒っているのです。

特に映画や小説音楽の批評の書き込み読んでるとわかるのですが、文章って性格が出ます。
その作品どこが好きとか嫌いとかそいういう事を率直に書くのはいいのですが、たまに微に入り細に入り事細かに論理的に重箱の隅をつつくようにねちっこーく批判している人がいるのです。しかも自分は冷静で理論的なつもりなのかもしれないのですが明らかに異常ってくらいの文章量で結局何が言いたかったのかよくわからなくなってたりします。

・・・いや今の私の文章も結構何が言いたいかわからなくなってきましたが。

文章を書くって結構エネルギーがいります、本の批評するにしてもその本を何回も読まなければわからないくらいことを書いてます、お前それ逆に大好きやろって思うくらいなのですが。

そのエネルギーはどこから出てきてるんでしょうか。そう思うとその人のバックグラウンドが気になってきます、どう考えてもリアルが充実してなさそうなのは当然として。その人の年齢、性別、職業とかどんなのだろうなと想像すると面白いのです。

大抵ネットでイタズラや脅迫をする人がいう犯行理由はムシャクシャしたとかそんな理由です。ネットというのはあそういう本音を吐露としては最適な場所です。

そういえばベッキーの批判をしているのは夫がいる主婦が多いそうです、おそらく自分の事を重ねて怒っているんだと思います。

ネットの書き込みって大抵は匿名です、だからこそ本音がよく出るのだと思います。

今回、紹介する本、「白ゆき姫殺人事件」は事件関係者にインタビューした文章や週刊誌やネットに書かれた物で構成された小説です。

小説の三分の二は本人も含めて容疑者の事を証言している文章なのですが、沢山の人が1人の事を語っているのに、聞けば聞くほどその人物がどんな人物なのかはわからなくなってしまいます。

色々な憶測が重ねられてまさに、今のベッキーちゃんのようにどんな人物だったのかわからなくなってしまいます。

しかし逆にそれに答えている人の性格はクッキリ浮き彫りになるんですよね、しかも嫌な感じに。

湊さんお得意のあの嫌な感じの文章で(褒めてます)その人の欺瞞とか偽善とか趣味嗜好までわかります。本当にこう言うのが上手いですよね。

結局他人を評価する時人は自分の中にある物差しで計りその人との距離を測るからです。そうすることで自分の事も表に出てしまうのです。

ネットもそういう所があります。

ネットってなんでも見れて何でも調べられます、でもなんでも調べられるからこそ、それを使う人の好みや本音、考えている事がクッキリ出ます。

大抵の人は自分のパソコンや携帯電話の中身は見られたくないはず。

私も、パソコンのお気に入りとかアマゾンのページは他人は絶対見られたくないです(笑)

まるで鏡みたいです。

そういえば、童話の「白雪姫」にも鏡が出てきます、悪い魔女がこの世で一番美しいのは誰と魔法の鏡に聞いてそこから白雪姫の名前が出てお話が展開します。

よく考えれば美しいなんてかなり相対的な物だし魔法の鏡が言ったからと言うだけの根拠でそれを信じて人を殺すなんて恐ろしいことです。

そう思うとこの小説のネットは魔法の鏡のメタファーなのかもしれません。

小説のなかでは白ゆきは石鹸の名前としてだけの意味ですが、なるほどそう思うと符合する所は沢山あります。

みんな、根拠の無いネットの情報に飛びつきそれを信じしかも、そうだと思う、とかそう見えた、とかの主観で語られている事だけで容疑者を断定してしまうのです。

そういえば小説に出てくる登場人物の人数は白雪姫に出てくる登場人物の人数とほぼ一緒です。

そう考えると私はネットで世間を見ているつもりで自分をじっと見ているだけのとんだナルシスト野郎だということになります。

ああ、嫌だ!だから湊かなえさんの小説は嫌なんです、こういう気付きたくない事まで気付いてしまって余計に嫌な気分になるのです。

きっと私がゴシップが好きなのも美形のリア充が不幸になっているのを見てざまぁって心のどこかで思って喜んでるだと思います。

ああ、本当に嫌な事に気がついてしまった!

そんな嫌な自分に気がつく本「白ゆき姫殺人事件」お勧めです。

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