本とTシャツと私~クラフトワークスKyotoより愛をこめて~

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「残り全部バケーション」 伊坂幸太郎・作

伊坂幸太郎作品の素晴らしい特徴として揚げられるのは、最初の1行目が印象的なことです。

最初の1行で伊坂さん独特の世界観に引き込まれてしまいます。なんといっても言葉のチョイスが絶妙なんですよ。

個人的に一番印象的なのは「重力ピエロ」の最初の1行です。

そこにはこう書いてありました。


春が二階から落ちてきた


二階から季節?が落ちてきたの?と疑問に思わせて、次どうなるんだろうと読ませてしまうこの言葉のセンス!素晴らしいですね。読んだことない方は続きが気になってるんじゃないでしょうか?

まあ、伊坂さんはこれに限らず言葉の選び方が素晴らしいんですけどね。

この1行は映画化されたときも使われていて、それを見て、やっぱりあの1行は印象的だよね!分かる分かる!と頷いていました。

今回、紹介する本も最初の1行が印象的な作品です。

「残り全部バケーション」の最初の1行はこうです。


「実はお父さん、浮気をしていました」と食卓で、私と向かい合っている父が言った。


これも気になりません?

なに娘に向かって宣言してんねん、しかもハキハキ言うことちゃうし、ってなりますよね。そもそも状況が分からないし、どういう流れでそうなったかも謎です。

続きが気になりますよね?もう読むしか無いですよね。

という訳でこの本も割とすぐに読めました。そして読めば読むほど謎が増えていき、続きがきになるのです。

この本も前回紹介いした「首折り男のための協奏曲」と同じく短編で構成されています。

でもこちらの方は連作短編になっています、全ての短編に共通の人物が出てきて全部読むと全てのストーリーが分かる仕組みになっています。

全部で5つの短編で構成されています。

色々な伏線や謎が広がり、どうなるんだろうと物語に引き込まれた所でだんだんとその謎や伏線が回収されていく感じは快感です。

短編、一つだけでも十分面白いのでおつまみ感覚でちょびちょび読んでもいいと思います。





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「首折り男のための協奏曲」 伊坂幸太郎・作

今回は正直、読むのを躊躇してしまいました。

なんせ「首折男」ですタイトルが怖い!

表紙もなんだか怖いですし、前情報で他の本にも出てくる「泥棒の黒澤」も出てくるというのも聞いていたのですが。

「泥棒の黒澤」が出てくる伊坂作品は結構残酷な印象があったので、結末はハッピーエンドで面白いんですが・・・・

ということもあってこの本は積ん読されていたとも言えます。

とは言えそんな事を言ってる場合でも無いし、今までの経験から言うと読み始めてしまうとするする読めてしまうものなので。

結果から言うと、当たり前ですが面白かったです。そしてそんなに怖いことはなかったです。

まあもちろん首折り男が出てきますので、何人か首が折られた死体も出てくるのでそんなに平和でも無いですが(笑)

それでも私が感じた作品の雰囲気は暗くは無いです、どちらかと言うと明るい気持ちにさせてくれます。

なのでタイトルと表紙で躊躇してる人は読んでみて欲しいです。

そして凄いのが、この本は短編小説で、7つの短編からなっているのですが、色々な雑誌などで色々なテーマで書かれた物で、もともとバラバラに書かれた作品なのです、だけどこの短編集は全部が上手い具合に繋がっていて綺麗に纏まっているんです。

まあ、あとがきにも書いてありましたしたが、加筆修正はされているみたいです。でも本当最初から計画して作られているようにしか読めないくらい完璧に纏まっていて凄いです、時空のねじれがおこります、感動します。

短編としても読めるし長編小説としても読める、不思議な小説になってます。

最初の短編は「首折り男の周辺」と言う話です、これはちょっと緊迫感があってドキドキします、スリル満点。

二編目は「濡れ衣の話」というお話、最後のどんでん返しにびっくりします。

三編目の「僕の船」は読むだけで幸せな気持ちになれるお話、ありえないけどあったらいいな~って思えるお話。

四編目の「人間らしく」はちょっと不思議な話、でも案外現実もそうなのかもと思わせるお話。

五編目の「月曜日から逃げろ」は一回読んだらもう一度読み返したくなるお話、この本自体の構造の説明にもなってたり。

六編目の「相談役の話」はホラー、ちょっとぞわっとします。

七編目の「合コンの話」はあとがきにも書いてあるのですが、この短編はレーモン・クノ―の「文体練習」という本に触発されて書かれたそうです、この本は私も気になっていたのでいい機会だなと思い、図書館で早速予約してしまいました。また読む本が増えた(笑)

この話はタイトル通り合コンの話なのですが、それを解体して分解して最後は面白く終わらせて読ます、かなりアクロバティックなお話でしかも最初の「首折り男の周辺」の話と繋がっていくのです、他の話も少しずつ繋がっていて読みごたえたっぷり。

一つ一つのお話も面白くてもっとふくらましたら長編に出来そうなぐらいで、私なんかは勿体ないな、と思ってしまいました。それぐらい面白い、一冊で七冊分くらいの小説を読んだ気分になれる小説です。

かなりお勧め。


「首折り男のための協奏曲」 伊坂幸太郎・作


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「バイバイ・ブラックバード」 伊坂幸太郎・作 「『バイバイ・ブラックバード』をより楽しむために」 ポスタル・ノベル編

今回、我が家の積読の山が高くなってきたので、それをなんとか崩そうと伊坂幸太郎祭を開催したわけですが。

「ガソリン生活」「PK」まで読んで「バイバイ・ブラックバード」まできました、あと三冊「首折り男の協奏曲」「残り全部バケーション」「仙台ぐらし」です。

そして今回、「バイバイ・ブラックバード」を読んでいたら、今回ももちろん面白くて、そう言えばこの本が出た時、関連本が出てたなと思い出し。

途中まで読んでたけど「『バイバイ・ブラックバード』をより楽しむために」も読みたくなって即入手しました。

はい、お分かりでしょうか?(゚Д゚)こうやって本の山ができるんです。(#゜Д゜)ノ

本を読む、関連本が読みたくなる、買う、本を読む、このスパイラルによって我が家の積読の山が出来上がっているのです。(´・ω・`;)

今回、その積読の山を崩そうとしたのにこの体たらく。

もうどうしょうも無いなと今回、改めて確認してしまいました。orz

と言う訳で今回読んだのは「バイバイ・ブラックバード」と「『バイバイ・ブラックバード』をより楽しむために」を読みました。

まず「バイバイ・ブラックバード」は今まで読んだ、伊坂作品の中で一番お洒落感が強かった気がします。

ただ内容はそんなにお洒落ではないです、なんせ5股した男が地面に這いつくばって謝り周るお話ですから。

主人公の男は大きな借金をしてしまい、その所為で恐ろしい人物に目を付けられ、良く分からないバスで連れて行かれると決まってしまい、もう戻れなくなってしまいます。

なので主人公は今まで付き合っていた恋人達に別れを告げに行きます。

正直最初はこの主人公最低だなと、5股はどういい訳しようと、どういう理由があろうとこの男はないわ~、と思っていました。

でも読んでいくうちに五人もの女性が好きになるのも分かるかも、思ってしまいました。

主人公はなんだか憎めない性格で基本的に何も考えてないのです、そして目の前にある事に一生懸命なの です、そして底抜けにやさしい。

読んでみれば分かりますが、これはほだされるでしょう、私は最後はこの主人公のことを助けたいとまで思ってしまいました。

読んでて思ったのですが、芸能人の石田純一さんと似てるなと思いました、私は石田さんと合った事も喋った事ももちろんないですが、たぶんこんな感じじゃないかと。実写化するなら石田さん以外には考えられないです。

なんせ、あんなに色々なスキャンダルがあるのに普通に芸能界で生き残って、しかもしれっと結婚してますし。それでもなんか許されてる。良く考えると凄いです。

この本の主人公はそんな凄さがあります、気になった方は是非読んでみて欲しいです。

そしてなんだか文章がオシャレ、笑えるところもありますし、根底には暗いものもあるのですが、軽やかに読めてしまいました。

この本は短編6本で構成されています、連作短編小説なのでちょびちょび読みながらでも読めます。

次に読んだ「『バイバイ・ブラックバード』をより楽しむために」は文字通り「バイバイ・ブラックバード」の解説をしています。

個人的には「バイバイ・ブラックバード」を読んだ後に読むのがお勧めです、結構ネタバレしてます。

まずは作者の伊坂さんのロングインタビュー、そして門賀美央子さんの解説、そして最後は太宰治の未完の作品の「グッド・バイ」が掲載されています。

「バイバイ・ブラックバード」は太宰治の未完の作品の「グッド・バイ」のオマージュ作品なので、これは是非読まねばと思い入手しました。

面白かったのは、「バイバイ・ブラックバード」と「グッド・バイ」の雰囲気は全然違うことです。でもどちらも続きが気になりぐいぐい読ませるエンターテイメント性が強く、でもどちらも面白かったです。

「グッド・バイ」に関しては、なんで書き終わる前に死んでしまったんやと、腹が立つぐらい続きが気になります。

インタビューや解説で太宰治がどういう経緯で自失したか書いてありますが、太宰何してんねんヽ(´o`;って突っ込みをいれてしまうこと請け合い。

こちらの本もお勧めです。



「バイバイ・ブラックバード」 伊坂幸太郎・作
「『バイバイ・ブラックバード』をより楽しむために」 ポスタル・ノベル編

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「PK」 伊坂幸太郎・作

伊坂幸太郎祭り二冊目は「PK」です。

ちなみに読む順番は特に決めてません、適当です、読みたい時に読みたい物を読む!

これが私の信条です。

だから、飽きたり他の本が読みたくなったら伊坂幸太郎祭りはそこで終わる可能性も、無きにしもあらず・・・(;一_一)途中で終わってしまったらすいません。

とりあえず、今は「バイバイ、ブラックバード」を読み始めてるので、3冊は行けるはず・・・・たぶん。

今回読んだのは「PK」です、内容は3つの短編からなっているのですが、三編とも微妙に繋がっていて読んでいくうちに謎が解けたり余計謎が深まったりといった感じで、面白かったです。

伊坂さんの小説はいつもファンタジー要素が入っていて、少し不思議な雰囲気を持っているのですが、今回はどちらかというと、SF要素の方が多い作品でした、まあ、しっかりとした科学的根拠を元に書き込まれているわけではないので、やっぱり少し不思議感はあります、でも藤子・F・不二雄先生的には少し不思議はSFなので間違いではないのかもしれません。

この小説は三編ともいろんな人物の視点から書かれていて、しかも一人称だったり、三人称だったりで最初は少し戸惑うかもしれませんが、テンポよく話が進むので読みやすいです。

ただ、時系列が未来や過去に行きつ戻りつしたり、はっきりとした時代や場所が特定できないので、少しややこしいかも、でも読む度に不思議な浮遊感を味わえます、読み終わったらまた最初から読みたくなります。

最初の短編は表題にもなった「PK」という短編、今まさにPKを決めんとするサッカー選手から始まり、後がない政治家に、変な要求をされる小説家、酔っぱらったカップル(?)など一見関係の無い人達の会話から色々な事実がわかってきて・・・といった内容です。

次の短編は「超人」というタイトルの作品です、こちらも何人かの人物の視点から話が進みます、でも今回は主人公と言える人物がいてその人を中心にして話が終息して終わります。主人公はある特殊な能力を持っていてその能力を使うことに苦悩するといった内容です。

最後は「密使」という短編です、こちらも不思議な力を持つ青年や怪しげな科学者が出てきます。そして、今までの短編の伏線を回収します。

一つ一つの短編は独立して話がまとまっているのに、三編でも一つにまとまっていて、とても不思議構造をしています。共通の人物が出てきたりするのですか、本当に同じ人物かははっきり書いてなくて、最後の小説を読むと余計混乱したりと読んだ後も色々考えてしまう面白い本です。

伊坂幸太郎作品の中では「フィッシュ・ストーリー」が雰囲気が近い気がします。

こちらもお勧めです。

伊坂さんの小説は大抵そうなのですが、色々な伏線や謎を最後に綺麗に終息させて終わらせる小説が多いです。

さすがストーリーテラーといった感じで読ませてくれて、さらに最後のすっきり感は毎回感心してしまいます。

そう言えば、話には関係ないのですが、今回の本の中に、スティーヴン・キング作の「デット・ゾーン」のことが出てきますが、丁度この間読んだスティーヴン・キングの本「書くことについて」にも「デット・ゾーン」の事について書かれていました、たしかキャラクター造形に関してだったと思います。

それを読んで、思わず、あれ?これも伏線?と考えて・・・いやいやちゃうがな!みたいな事がありました(笑)。たまにこういったなんの関連性もないと思って読んでいた本の思わぬ所で共通項を見つけるとなんか嬉しいです。

ちなみに「デット・ゾーン」という話は、接触した相手の未来が見えるようになった青年が、将来核戦争を起こす次期大統領を暗殺しようとするお話です。私はまだ読んだ事がないですが面白そうです。

このお話も今回の小説「PK」と上手い具合に絡んでくるので読んでみてもいいかもしれません。



今回、なぜかAmazonのリンクボタンが使えないので写真はなしです。本の情報はこちらから→「PK」 伊坂幸太郎・作




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