本とTシャツと私~クラフトワークスKyotoより愛をこめて~

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「ザ・ベストセラー 上・下」 O・ゴールドスミス・作

季節はめっきり秋ですね!、秋と言えば「読書の秋」です。

私は、ほぼ一年中本を読んでいますが、なぜか秋になると“本が読みたい!”って思います。

特に本を読むペースが速くなる訳ではないのですが・・・なぜか毎年思います、常に本を読んでいるのにさらに読みたいと思うなんて、ちょっと自分で自分が怖いです。└(゜ロ゜;)┘

と言う訳で(?)今回紹介する本は本に関する小説です

「ザ・ベストセラー 上・下」 オリヴィア・ゴールドスミス・作 文春文庫から出版されて2000年2月に発売されたものです。

作者は女性でデビュー作「第一夫人同盟」は映画化もされたそうです。(今、調べたら2004年に54歳で亡くなられていました、ご冥福をお祈りいたします。)

上巻は462ページ、下巻は536ページと結構ボリューミーでしたが、秋に読むにはぴったりではないかと思います。

内容はニューヨークの出版業界が舞台でそこで起こる本に関する裏側がこれでもかと詰め込まれている小説です。

一応、フィクションですが、作家さんの実体験を基に書いてあるらしく、しかも有名な作家さんは実名でこの本に出ているので、かなりリアルな内容のようです。

アメリカの出版業界にはあまり詳しくないので日本とは少し違う世界で大変興味深い内容でした。

まあ、日本の出版業界の事もそんなに詳しくないですけど。(;一_一)

前回このブログでも紹介した「二流小説家」も小説家が主人公だったので、この本と合わせて読むと、アメリカの小説家の生態や出版業界の仕組みがより詳しく分かります。

私は、この本を読む前は出版業界が舞台の小説と言う事で、「プラダを着た悪魔」や「セックス・アンド・ザ・シティ」みたいな感じで、小説家の卵の主人公が出版業界で、出版業界の汚い裏側を垣間見たり色々な障害と戦い最後には出世していくコメディチックな話かと思っていました。

ところがこの小説は、書いた小説を出版社に送り続けるも断られ続けてついでにアルバイトも首になり絶望した小説家の卵が首を吊って自殺する所から始まりました。

暗! Σ(゜д゜υ)

その後も出てくる登場人物たちは、お金や地位があっても人間関係に恵まれてなかったり、見栄のためにお金が無くなって崖っぷちだったり、他人が書いた小説を自分が書いたと偽ったり、出世欲のために誰とでも寝る女が出てきたり。Σ(´□`;)

まさに閉塞感たっぷりで不幸な人か出世やお金や名誉の事しか考えてない人しか出てきません。

重い・・・(´・_・`)

しかも主要な登場人物が多く、視点がコロコロ変わるオムニバス形式で、登場人物の名前を覚えるのが大変でした。

視点が変わって数行読んでから、「・・・・・・えーっとこれ誰や?」と登場人物一覧表を見返す事が何度もありました。(笑)

それでも頑張って読むと、この小説は群像劇になっているので、関係が無いと思っていた登場人物達が章を進むごとに関わりが出てきてだんだん面白くなってきます。

それぞれの登場人物の人間関係や事情、意外な秘密も少しづつ明らかになっていくのでスリルもあります。

出版業界や作家業の仕組みやリアルなお金の流れ、大手書店と個人経営の書店の事情、作家たちの繁栄と凋落が書かれていて、本を作って売ると言う事は実にシビアで大変だと言う事が分かります。

本を作るのは本当に大変で、色んな人の汗と涙の結晶で出来ていて、特に作家は自分の身を削ってでも文章を書いているんだと言う事が分かり、これからは本を読むときはもっと一行一行大切に読もうと思いました。

しかし、我に返って思い出しました、実は私が読んでいたこの本は古本屋で一冊105円で買った本でした・・・・

古本屋で買った場合、作家さんには一円もお金が入らないんですよね・・・・(;一_一)

オリヴィア・ゴールドスミスさんすいません(@_@;)

まあ、そんなこんなで暗く息のつまるような始まりでしたが、そこはアメリカの小説です、最後は勧善懲悪的な結末で。

努力しつつも虐げられていた人は成功し、ズルして儲けようとしていた悪人はこてんぱんにやられて不幸になっていくといった結末で、最後は大団円で終わるので、これから読んでみようと思っている方は安心して読んでみて下さい。(*´ω`*)




ザ・ベストセラー〈上〉 (文春文庫)ザ・ベストセラー〈上〉 (文春文庫)
(2000/02)
オリヴィア ゴールドスミス

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ザ・ベストセラー〈下〉 (文春文庫)ザ・ベストセラー〈下〉 (文春文庫)
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オリヴィア ゴールドスミス

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猫鳴り 沼田まほかる・作

ネコは好きです、でも今回紹介する本「猫鳴り」はネコ好きには少ししんどい内容かもしれません。

少なくとも私は辛かったです。

今回紹介する本は沼田まほかる・作 「猫鳴り」です、3本の中編からなる連作中編からなっています。

ストーリーは、ネコのモンとそれを取り巻く人々の心あたたまる触れ合い

とかそんな何処にでもありそうな陳腐な話ではありません。

まず第一章で主人公の信枝は子猫のモンを捨てます、新聞にくるんで畑に捨てます鴉がいるから鴉に襲わせるためです。

それでも、怪我をしながらも信枝のもとに戻ってくるモンに信枝は怪我の治療をしてから、森に捨ててしまいます。

こんな感じで、ネコ好きには辛すぎる出来事からストーリーは始まります。

最後には信枝はモンを飼うことを決めますが、それまでがかなり辛いです・・・

そうなってしまうのは、主人公の信枝が子供を流産してしまった悲しい過去があるからなのですが。

それでも、この本はとても深く考えさせられる本です、と言っても動物を大事にしようとかそんな事ではありません。

ここに出てくる登場人物はみんな、心に傷があり、幸せそうな人を見ても不快な気持になるぐらい荒んでいます。

ネコのモンは特に何か特別な事をするわけでは無いのですが、登場人物たちはネコのモンを通して色々な事を考え、前を向き現実に向き合っていきます。

けして癒されたりはしませんが、モンの強さや気高さに励まされ立ち直っていくのです。

私はこの小説で沼田まほかるさんの作品を読むのは2冊目です、最初に読んだのは「ユリゴココロ」という本でした。

沼田まほかるさんの小説は、深い愛や慈しみの心を書き出すのがとても上手い作家さんです。

「ユリゴコロ」も「猫鳴り」も表現されているのは人の心の根底にある深い深い愛です。

愛とか陳腐な言葉を使うのはあまり好きではないのですが、それ以外では表現できないのです。

文章も素晴らしいです、もちろ“愛してる”とか陳腐な言葉は使われていません、むしろ冷静で冷徹なくらい客観的な文章で淡々と状況を説明していきます。

しかし一見、なんてことない普通の文章なんですが読んでいるとずるずると本の中に引きずり込まれていつの間にか最後まで読まされています。不思議です。

「ユリゴコロ」に関しては休みの日の朝に読み始めてしまい、気が付いたらお昼ご飯も食べ忘れて最後まで読んでました。

正直、この本のセールスポイントがどこかと聞かれると凄く困ります、泣きたいとか、感動したいとか、癒されたいとかそんな軟弱な目的では読んで欲しくない。

「24時間テレビ」でも見て、アロマでも焚いといたらいいのです。

何か大きな事件が起きるわけでもない、大恋愛もない、出てくるネコも正直、可愛くないです。

それでも、この小説は素晴らしい小説としか言いようが無い。読んでみればわかります。

読み終わったあと、すぐには分からないかもしれませんが、ふとした時にこの小説を思い出して内容の深さにハッとするのです。

気になる人は是非読んでみて下さい。


猫鳴り (双葉文庫)猫鳴り (双葉文庫)
(2012/09/30)
沼田まほかる

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下ネタという概念が存在しない退屈な世界 赤城大空・作

今回、紹介する本、結構なタイトルではありますが、本の表紙も結構な感じです。

IMG_0469 (480x640)

本屋で買うのにも勇気が要ります。

まあ、私は余裕で買いましたけど(ドヤ顔)

内容も結構な感じです、まずヒロインが頭からパンツをかぶって下ネタを連呼します。

「お○んぽおおおおおお」

って絶叫します。

1ページに3個は下ネタが挿入されてます。(挿入という言葉がもう下ネタです)

“ち○こ”という言葉が出てきすぎてゲシュタルト崩壊します。(ΦдΦ)

最終的にエロく無くなります。(OωO; )

この本はそんな本です。(。+・`д・。)キラーン

でも、面白いです。

この本は所謂、ライトノベルと言われる本で小学館のガガガ文庫から出版されています。ジャンルはSFでしょうか、主人公は高校生でライトノベルにありがちなハーレム物でもあります。
ただ、出てくる女の子は全て下ネタが絡んでいるのであんまり羨ましくありません、ヒロインに至っては息をするより滑らかに下ネタを喋るという特技があります。(;´・Д・)

ストーリーは、近未来の日本が舞台、「公序良俗健全育成法」が成立し性的な言葉が失われた世界。

PMという機械で言動や行動を監視されていて、下ネタや性的な事を喋ったり書いたりしただけで捕まってしまいます。

そのような、全てを監視され性的な情報を規制された世界で主人公、奥間狸吉は、《雪原の青》と名乗る下ネタテロリストに弱みを握られ、下ネタテロ組織「SOX」のメンバーになってしまいます。

冗談みたいな設定ですが、あんまり笑いごとでもありません、現代でも今は本やテレビは色々な言葉が規制されていて昔に比べると、神経質といってもいいくらいです。

1984年に都で制定された都青少年健全育成条例はまさにこの本に出てくる「公序良俗健全育成法」のモデルになっていると思います。

元都知事の石原新太郎がマンガやアニメのキャラクターにまで年齢制限を掛けて、青少年の性行為を出版することを禁止しようとしていたのを、思い出しました。

あの時はアホかと思っていましたが。結局施行されました。

たしかに、ひどい内容の本は沢山ありますが、それを見て判断し行動するのはその人の責任で本自体に罪は無いと思うのです。

逆にいえば大人は、子供はすべからく頭が悪く、正常な判断が出来ないと思っているのだと言う事です。

知らなくていい事は沢山あるかも知れませんが、知っていればそれについて色々な選択ができるというのはそれだけ可能性がある事だと思うのです。どちらかに偏った考えは結局、偏った人間しか生みません。

大体、内容の過激な本やゲームをして悪影響があるなら、世の中はもっと犯罪が多いはずです、アメリカは本の規制は日本より激しいですが、日本より性犯罪は多いです。

それに、幼少期に母親から性的な事を極端に禁止された子供は、将来、露出狂や覗きの犯罪を繰り返す確率が高くなるそうです。

人は環境によって性格が変わる物で、読んだり見た物程度では変わらないと思います。

まあ、この条例は結局本やゲームの販売されているものに限られているので、ネットなどにはあまり意味が無いので。そこまで規制されてる感じはありませんが。

今回紹介する本「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」はこのように世の中にある問題を改めて考える切っ掛けを与えてくれて、意外に深いです。

他にも世界で問題になっているテロの事や歴史にあった革命の事それらをモデルにしたようなエピソードももりこまれていて面白いです。

下ネタまみれですが、笑いながら読めて勉強にもなります。

ヒロインはえんぴつと消しゴムだけで下ネタ発言をしますが・・・・(笑)

読んで頂ければ分かりますが、良くこんなに下ネタが思い付くなと思うぐらい下ネタがそこらじゅうに散りばめられていて関心してしまいます。

下ネタが駄目な人にはお勧めしませんが、興味があれば読んで見て下さい。身の回りの物が全てエロく見えてきます。

こんどマン○化するそうです(本には作者さまがこのように表記されていたのでそのまま採用させていただきました。)楽しみですね。 (b゜v`*)

本屋で買うのが恥ずかしい時はAmazonなんかで買うといいですよ。(ノv`*)b



下ネタという概念が存在しない退屈な世界 6 (ガガガ文庫)下ネタという概念が存在しない退屈な世界 6 (ガガガ文庫)
(2014/05/20)
赤城 大空

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満願 米澤穂信・作

第151回直木賞ノミネートおめでとうございます。

ノミネートで終わりましたけどね・・・・(;一_一)

今回、米澤穂信さんの「満願」を読まさせてもらいましたが。

正直、なぜわざわざこの本がノミネートされたのかが分からない。

もちろん、この本は素晴らしい内容で、面白さについては文句なしなのですが、米澤穂信さんが今まで出された本の中でこの本が1番面白いかというと少し疑問です。

まあ個人個人の好みの問題もあるし、これが一番という方もおられるかとは思いますが。

でも、ね~ (´・д・) 正直以前もこのブログでも紹介した「リカーシブル」の方がまだ直木賞にノミネートされれば納得できたのに。

今回、「満願」が直木賞にノミネートされた事で米澤穂信さんの知名度が上がって、じゃあ読んでみようとなって、最初にこの本を読んで。

米澤さんの本が全部こういう感じかと思われるのはファンとしては、勿体ないとしか言いようがない。

いや、何回も言いますが、この本は面白いです、でも良さが伝わりづらいのではないかと思うのです。

まあ直木賞の審査員はノミネートされた本を読んでないとかいう噂もあるぐらいですから、しょうがないのかも知れません。

とりあえず、この本は面白いです、でも他の米澤穂信さんの本も面白いです、個人的に好きなのは「小市民シリーズ」です、続きが早く出て欲しいんですけどね・・・ (´・ω・`) 出る気配もない・・・(ToT)

そして、今回紹介する本「満願」です、まあ、米澤穂信さんはミステリー作家さんなので今回もミステリーです、6つの短編で構成されています。

小説新潮・小説すばる・Story Seller Vol.3 で掲載されたものをまとめたものです。

このミステリーはどのカテゴリーに入るかというと、日常の謎系ではないかとおもいます、しかし日常の謎系はどちらかというと、ほのぼのとした空気があるものが多いですが。この小説は最初から最後まで不穏な空気に包まれています。

ホラーと言ってもいいぐらいですが、ホラーと言うほどなにか得体の知れないものが出てくるわけでもないのです。

本当に日常に起こりそうな設定で、自分が、あるいは隣の家で起こっても不思議じゃないことが描かれています。

良かれと思ってやった事、仕事のため、ちょっとした好奇心、それがきっかけで恐ろしいことが起こっていく。

幽霊もお化けもでてこない、変質者も猟奇的な人物もいない、なのにぞっとする。

この小説の登場人物達はふとした瞬間足を踏み外したように真っ暗な闇の中に堕ちていってしまうのです。

この本の中で個人的に特にぞっとしたのは「関守」というお話、あるルポライターがネタ探しのためにあるドライブインを訪れ、そこで働いているおばあちゃんに取材をする。そこから話は始まります。

ばあさんに取材をすることで事件の全容が少しずつ分かっていくのですが、なにも関係が無いと思った事が最後すべて繋がり、まさに衝撃のラスト!といった感じで最後はゾッとするやらヒヤッとするやらで、これを読むと怪談なんかさして怖くなくなります。

暑い夏にはぴったりかもしれません。ゾッとしたい方にお勧めです。


満願満願
(2014/03/20)
米澤 穂信

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