本とTシャツと私~クラフトワークスKyotoより愛をこめて~

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シモネッタの本能三昧イタリア紀行 田丸公美子・作

   「ほら、片っ端から審査員と寝れば、私だってミセス・ユニヴァースになれるじゃない!」


このセリフは今回紹介する本「シモネッタの本能三昧イタリア紀行」の作者、田丸公美子さんが言い放ったお言葉です。

作者が1976年イタリアのミラノにいたときのこと、ある広告代理店の社長(イタリア人)から、ミセス・ユニヴァースに出ないかと誘われます。

純日本人の作者は戸惑います、さすがにイタリア人の中で日本人が混ざっても、良い結果になるとも思えないからです。

しかし、もしかしたらという気持ちがあり友達のイタリア人に相談します。

友達(美人)は、絶対に無理だからやめておけと言います、身長160センチだし足もそんなに長くない、水着審査では絶対に勝てないだろうと言います。

さらに、「私も昔、美人コンテストみたいなものは出てみたことはあるけど、審査員はコンテストに出る美人と寝ることしか考えてない、誘いを断ったら選外だった、コンテストに選ばれたのはさえないブスだったよ」。

意訳はしていますが大体このようなことを言われ作者は、上記のセリフを言い放ったのです。

シモネッタとは、シモネッタ・ドッジからきていて、ロシア語通訳者の米原万里さん(この方もエッセイ本を書かれていて、とても面白いです)が下ネタばかり言う作者に対して付けたあだ名です。

今回紹介する「シモネッタの本能三昧イタリア紀行」はシモネッタとあだ名されるほど下ネタな話をよく知る作者が書くので、下ネタ満載の本です。

しかし、下ネタ満載だけどあまり下品ではなく、ユーモアがあり、どちらかというとイタリア人の恋愛観に関して大変勉強になる本になっています。

この作者はほかにも下ネタ名言は沢山あって。

今回紹介する本ではないのですが、息子さんの育児や教育のことを書いたエッセイ「シモネッタのドラゴン姥桜」では

ある日、息子さんの友達のお母さんから

「実はうちの息子が、学校で田丸君に巨乳ヌード写真を見せてもらったて申しまして・・・」

と言われ

「うちの子に限ってそんな‼︎彼は、大きすぎるおっぱいは嫌いだ。小ぶりな手のひらサイズがいいって、いつも言ってるんですのよ」

と返したそうです。

お母さんの言いたいことはたぶんそこちゃうで。

ほかにはさっき出てきたロシア語通訳者の米原万里さんの証言なのですが

「核兵器廃絶に関する会議前の通訳打ち合わせの最中だった。主催者から直前になって大量の文書を渡され、緊張と焦りで皆剣呑な顔をしている。そこへ場違いな水商売風の化粧と服装の女が現れて、

『イタリア語通訳の田丸です』

と名乗り、続いて素っ頓狂なことを口走った。

『ねえねえ、今度、念願の犬を飼うことになったの。訓練してバター犬にしようと思って・・・』」

と言ったらしいです、しかしこれに関しては田丸さんは断固訂正していて、実際は

『ねえねえ、私今度犬飼うことにしたの。やっと念願のペットのオーナーになったってわけよ。これでほんとの“オーナーペット”なんちゃって」

と言ったそうです。

・・・訂正するとこそこでいいん?

純粋で清らかななる乙女(笑)な私は、こんな下ネタは意味もわかりませんが・・・ええ、わからないったらわかりません‼︎

き~こ~え~な~い~!

以前このブログで「望遠ニッポン見聞録」ヤマザキマリ・作を紹介した時にも田丸公美子さんの本を紹介しました。その時は違う視点からイタリアを見れるので面白いと紹介しましたと思います。

その時紹介した本「シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ」も下ネタ満載でしたが、今回も満載!

作者の下ネタは尽きることがないのでしょうか?

作者の田丸公美子さんはイタリア語の通訳者です、知り合いはおのずと外交目的の要人や輸出入を主にした会社の社長とか幹部の人間になります。

だからなのか、田丸さんから見たイタリア人は大抵ダイナミックでぶっ飛んでいます。

人の上に立つ人間はおのずと性欲が強くなるのか、聞くだけでちょっと引くぐらいのエピソードがポンポン出てきます。

下ネタの内容はうら若き乙女(しつこい)な私にはとてもじゃないが恥ずかしくて書けないが、内容が気になる方は是非読んで欲しいと思います。

美しいイタリアも享楽的で廃頽的なイタリアも余すことなく紹介されていて、イタリアに行った様な気にさせてくれます。

面白かったのはヤマザキマリさんも田丸公美子さんも共通した意見としてあるのが、「ベルルスコーニは凄い」と言うことです。

私でも知っている元首相のあの政治家です、ニュースで見るかぎりでもかなり最低の政治家ではありました。

なぜ、イタリア人はどう見ても最低の政治家なのにベルルスコーニを支持し続けたのか。

この本を読めばその謎は解けるかもしれません。



シモネッタの本能三昧イタリア紀行 (講談社文庫)シモネッタの本能三昧イタリア紀行 (講談社文庫)
(2011/04/15)
田丸 公美子

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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

リカーシブル 米澤穂信・作

世の中には、読むのに覚悟がいる本があります。

今回上げた米澤穂信の作品で「ボトルネック」はまさに読むのに覚悟のいる本でした。

ネットなどの書評でも評判になっていて、お勧めしずらいとまで書いてありました。

読んでみればわかるのですが、本当にお勧めはしずらいです。

後味も悪いし、最悪の気分になれます。

私は、読む前に覚悟をして読んだにも関わらず、読んだ後は3日くらい引きずりました。

そして、今回紹介する「リカーシブル」は帯に“青春の痛ましさを描いた名作ボトルネックの感動ふたたび”と書いてありました。

これは読まねば!と思いました。

上にも書いたようにお勧めしずらいやら、最悪の気分になるとまで書いているのに、読みたいと思うのは矛盾していると思われるかも知れません。

こいつ、もしかしてどMなんじゃないかと危惧された方もいるかもしれません。

大丈夫です私は変態ではありません!(・・・たぶん)

確かに、今回紹介する「リカーシブル」は最悪の読み味でした。

腐った泥水に生クリームをトッピングしてぐちゃぐちゃに混ぜたものを、口に突っ込まれた気分です。

ふとした時に思い出して、気持ちも落ち込みます。

ただ、読んでみていただければわかるのですが、この小説はすごく面白いのです。

読み出したら止まりません。

きっと最悪な気分になるに違いないのは分かっているのに続きが気になって仕方なくなるのです。

矛盾しているようですが本当です、読んでみればわかります。お勧めはしませんが(笑)

ストーリーは、父が失踪し母の故郷に引っ越してきた姉のハルカと弟のサトル。引っ越した町は「タマナヒメ」という伝説の女がおり、ハルカとサトルはこの寂れた町で恐ろしいことに巻き込まれていきます。

米澤穂信はミステリー作家なのですが「ボトルネック」ではあまりミステリー要素は少なかったように感じました。

ただ今回は、ミステリー要素もふんだんで、そして最悪な気分はそのままにといった感じです。

あらゆる所に複線がはっており、計算され尽くした構成と文章で、あっという間にこの世界に引き込まれ、そして泥水生クリームを飲まされるのです。

たとえば、そこかしこに散らばっている比喩表現などに少しづつ毒のある表現を使ってなんだか不穏な空気を醸しています。

-本文抜粋-

 コンクリートを流し込んだだけの三和土にスニーカーを脱ぎ捨てて、転げ落ちたら首の骨が折れそうなほど急な階段を駆け上る。


 校長先生もジャージ姿だ。包丁で削いであげたくなるほど大きなお腹がはっきり見えていて、ちょっと可哀想な気がする。


こんな感じです。

読み返してみると、ああこれも複線だったのかと驚くほどちりばめられていて、なおかつストーリーや構成は全く破綻もしていなくて読みやすい。

普通に読んでいてもその凄さは分からないのですが、少し引いた目線で見てみるとその凄さがわかります。

この小説を読んだ後、時間がたってもこの小説のこの後どうなったのか気になり意味も無いのに考えてしまいます、最後に少し明るい表現もあるものの状況は絶望的な事ばかりで、どう考えても事態が好転しそうな要素もありません。

タマナヒメの真意はどこにあるのだろうかとか、ハルカとサトルの母親や父親の心境、町の今後はどうなるのか、伝説はどこまで本当だったのか、あの文章は裏を読むべきじゃないんだろかとか。

考え出したら限なく出てきます。読み終わった後も背後霊のように小説がのしかかってきます。

もう一度言いますが、決してお勧めはしません。でも面白い小説であることは保証します。




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(2013/01/22)
米澤 穂信

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望遠ニッポン見聞録 ヤマザキマリ・作

お恥ずかしながら、私は外国に行ったことがない。

もちろんパスポートも持ってない。

そんな、出不精の人にお勧め、旅行記ではないですが、たくさんの国に行った事のある作者のエッセイはまるで外国に行った気になれます。

ご存じの通りこの作者は今、映画公開もしている「テルマエ・ロマエ」の原作者のヤマザキマリさんです。

作者は外国によく旅行に行かれるようで、イタリアには長い期間住まれていてイタリア人の旦那さんがおられます。

この本は、長い間外国におられた作者ならではの視点で日本がどんな国なのかを、作者の視点で書かれています。

この本を読むと「テルマエ・ロマエ」が出来た理由もわかる気がします。

長く日本を離れていたからこその視点があったからあの、面白い漫画が出来たのだと納得出来ました。

面白かったのは、「おしん」の人気具合のことをかかれた章、「おしん」が流行るのも国によるらしく、欧米など言いたいことは出来るだけ言っていく、謝ったら負けみたいな国民性の国ではあまりはやらず、逆にアジアやイスラム圏では、爆発的な人気だったそうです

エジプトのカイロでは「おしん」の放送時間に停電なった事で電気会社や放送局で暴動が起こったそうです。

日本のドラマにそんなに熱くなってくれるのは嬉しいですが、暴動はやりすぎな気もします。

アジアやイスラム圏の女性は日常的に感情を抑えて暮らしており、社会の様々な伝統や風習に従わなければならず、

こういった抑圧された社会だからこそ「おしん」が流行ったのではないかと作者は書いています。

やっぱり直接色々な国を見てきた人の意見は面白いなと思いました。

そういえば、以前読んだ本で、田丸公美子・作「シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ」という本があるのですが。(こちらの本もすごく面白いです)

ちなみに田丸公美子さんはイタリア語の通訳をされていてエッセイも書かれていてこの本もその中の一冊です。

この本にはいかにイタリア人、特にイタリア男性が恋愛に関してアグレッシブであるか、どれだけ奔放であるか浮気なんてあたりまえ!ってな感じのことが書かれているのですが。

「望遠ニッポン見聞録」の中では、日本で活躍している某イタリア芸能人が表紙になったファッション雑誌を作者と旦那さんが二人で見ながら、「こんなイタリア男はめったに居ないよね」といった会話を繰り広げられていて。

いかにイタリア男性が不憫でしょぼくれていてイタリア女性の嫉妬のパワーが凄く浮気なぞしようもんなら精魂尽き果てるまで攻め続けられへこまされるかが書かれていました。

これは、どちらかが間違っているわけではなく、立場の違いで見方が違うのだと思うのですが。

同じ日本人で見てきた時代も似通っているはずなのに、同じ国のことを語っているとは思ない結論に至っているのが凄く面白いです。

もちろん日本だって、国民性をそんな簡単にくくれたりしないので、イタリアだって色んな面があるのも分かるのでどちらの面も正しいのだろうと思う。

そして、このことはきっと直接イタリアに旅行など行ったとしても知れない事柄です。

田丸さんは通訳の仕事を通じて、ヤマザキマリさんはイタリアで直接暮らしていたことで見てきたことです。

そう思うと本を読むことでしか知ることが出来ない事もあるのです。出不精な人にはお勧めです。

他にも、この本には沢山の国の沢山の人たちの暮らしや考えが、日本と比べてどれだけ違うか、日本という国がどんな国かが書かれています。

この本を読めば知らなかった日本にも行けるかもしれません。





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(2012/03/09)
ヤマザキマリ

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シモネッタのデカメロン―イタリア的恋愛のススメ (文春文庫)シモネッタのデカメロン―イタリア的恋愛のススメ (文春文庫)
(2008/02/08)
田丸 公美子

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少女キネマ 或いは暴思王と屋根裏姫の物語 一肇・作

森見登美彦・作 「夜は短し歩けよ乙女」をご存じだろうか、この小説は大変面白く、お勧めな本の一つなのだが。

今回紹介する「少女キネマ」は「夜は短し」と同じ系譜のお話と思ってもらってもよいと思います。

「夜は短し」が好きな方にはお勧め、そうでなくてもお勧めです。

森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」はある意味新しいジャンルを作ったと言ってもよいと思う。

主人公は大学生、舞台も大学、そこに通うもう大人と言ってもよい人たち、しかし社会に出て荒波に揉まれるまでの執行猶予がある、ある意味中途半端な時代。

高校時代のように爽やかさもだいぶ薄れて大人になってはいるもののまだまだ何かしらのルサンチマンやリビドーを抱える若者たちのお話。

そんなジャンルとして確立している。

しかし、このジャンルは大変難しいと思う。

森見登美彦という大きな壁があるのにもかかわらず、似たものを書くということは必ず比較されるし、そう簡単に同じ物が書けるほど、簡単なジャンルではないのだ。

この小説はその壁に挑戦した作品・・・と私は思っています。

まあ作者の意図は違うのかも知れませんが。(;一_一)

 (*追記 コメントから作者はこの小説を書いた後に森見さんの作品を知ったという情報をいただきました。一肇さんは知らずにこの本を書かれたみたいです、すごいですね)
 

ということで、今回紹介する本は一肇・作「少女キネマ」は大学が舞台の大学生のお話、

主人公の十倉和成は大学生一年なのに20歳。ある日、ボロの下宿屋の天袋から可憐な大和撫子があらわれる、そこから話が展開していきます。

映画が話の中心になっていて、映画作りを通して映画の素晴らしさ難しさを書いています。


青田買いという言葉がありますが、個人的にこの本の作家さんはこの先が楽しみな作家さんの一人で、唾を付けておいて損はないと思います。

もともと、この作家さんはゲームのシナリオライターで、ライトノベルでデビューし色々なジャンルを書かれていますがどれも面白くて大きなヒットはまだないですが着実に実績を残しています。

かくゆう私は、ライトノベルで出版されていた時から知っていて、

将来有望ときめて追いかけてきました。

この作者さんが気になったきっかけは名前です、「一肇」(にのまえはじめ)と読みます一を“にのまえ”つまり、二の前と読ませていますそして下の名前がはじめ上の名前と同じ読みができる文字です。

今まで色んな本を読んできましたが。ペンネームが面白くてセンスのある小説家さんは面白い小説を出していることが多い気がします。

まあもちろんハズレる時はあるのですが、本を選ぶ時の一つの基準にしています。

タイトルや作者の名前は作者自身が考えて付けている物なのでセンスや文章力などが試せれる場になっていると言っても過言ではないと思うのです。

本を読みたいけれど、どうやって選んでらいいかわからないという人には、ペンネームとタイトルを読んで面白そうだと思った物を選んでみるといいかもしれません。

最後に、この小説は笑えるなのに切なく希望にみちあふれているのに苦しくなってきます、主人公はもがき苦しみながらも過去の呪縛や謎に立ち向かっていきます。

爽やかな青春物にも飽きた方にはお勧め、主人公はみっともなくのたうちまわり、転げ回ってじたばたします、それでも前に進もうとする姿は羨ましくそして美しいと思うのです。

読み終わルと自分も何かしたい、そんな気持ちになる本でした。

気になった方は是非読んでみてください。



少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (単行本)少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (単行本)
(2014/02/27)
一 肇

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