本とTシャツと私~クラフトワークスKyotoより愛をこめて~

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「いまさら翼といわれても」 米澤穂信・作

久しぶりの米澤穂信さんの「古典部シリーズ」の最新刊。

もう出ないと思ってたから嬉しい。

そんで、帯に映画化の文字が!

シリーズ最初の「氷菓」が映画化だそうです。

しかも実写。

このシリーズはミステリーだけど人が死んだりはしない、いわゆる日常系のミステリーです。

学校が舞台で、そこでおきる小さな謎を解決していくミステリーシリーズで。

残酷な話は苦手という人にオススメできる小説です。

なので映画化も納得、どんな感じなのかちょっと見て見たいですね。

「氷菓」はだいぶ昔に読んだので、内容はほとんど忘れてしまったんですが・・・・面白いのは確かです。

今回読んだ6作品目の「いまさら翼といわれても」も面白かった。

神山高校が舞台でそこにある部活「古典部」の部員4人の視点で綴られた小説です。

6本の短編で構成されています。

シリーズですけど前作を読んでいなくても読める話になっています、かくゆう私もこのシリーズの前作を読んだのがだいぶ昔で設定もかなり忘れてたけど全然楽しく読めたので大丈夫です。

『やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に』

この言葉は探偵役の折木奉太郎が信条にしている言葉です。

奉太郎はできるだけ無駄なことはしたくない。エネルギーを最小限に抑えたい。

かなりエコロジカルな人物なんですが、それが面白い。

無駄なことを省くから人と違う発想で謎をといていくのです。

とくに唸ったのは、「わたしたちの伝説の一冊」という短編の中で出てきた、太宰治の「走れメロス」の感想文です。

作中で、奉太郎が過去に書いた作文として出てきます。

メロスが戻る途中で何者かに殺されそうになるのですが、それを誰が差し向けたのかの推理が面白い。

メロスは読んだことがあるのですが内容はほとんど忘れていて、殺されそうになったっけ?って思ったのですが(笑)

メロスは王様がその殺し屋を差し向けたと思うのですが。奉太郎は全く別の視点で犯人を推察し、なおかつ王様がこれからどうなるのかも推理していて本当になるほど!と思いました。

誰でも知っている不朽の名作なのにこんな解釈ができるなんて本当に作者さんがすごいなと思いました。

また「走れメロス」が読みたくなりました。

きっと「わたしたちの伝説の一冊」読めばメロスが読みたくなるはずです。

そして最後の短編、「いまさら翼といわれても」は青春って感じでとても良かった。

青春感は全編に通してあるのですが、最後の短編は読み終わった後の余韻がなんとも言えない。

登場人物がある決断を迫られてどうするべきか悩むのですが、その登場人物がどっちの決断をしたのかは書かれず終わっているのです。

でも知りたいようなでも知らずに色々想像するのも楽しいかなとも思ったり。

そんなことを思いながら読むと面白いです。

オススメです。

あと、気になるのはこのシリーズがこの先続くのかということです。

登場人物たちは作中の中で徐々に年をとっていっているし今回の作品でも進路のことが度々出てきてました。

最後の短編なんかはまさにそのことが中心になって話が続きます。

青春ミステリーとして始まっているシリーズですし高校を卒業したら「古典部」ですらなくなるので登場人物が卒業したら終わりなのか。

まあ過去編とか織り交ぜて大学になっても続けるのもありではあるでしょうが、それはそれでびみょうに興醒めではあります。

それに私的には米澤穂信さんのもう一つのシリーズ「小市民シリーズ」の続きが読みたい。

このシリーズも大好きでずっと続きを待っているのです。

そう思ってネットで調べてみたら「小市民シリーズ」最近新刊が出る動きがあったようです。

2016年12月に新刊が出る!・・・予定・・・と書かれていました。

今、2017年3月・・・・まだ出てない・・・・。

ま・・・まぁ、こんなことはよくあることです。

今年中に出たらラッキーぐらいで待とうと思います( ´Д`)y━・~~





スポンサーサイト

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

「夜行」 森見登美彦・作

第一五六回 直木賞ノミネートおめでとうございます。

ちょっと遅いですけど。

今回、直木賞は恩田陸さんが獲られました、おめでとうございます。

まあ、恩田さんは順当って感じでしたね。これまでも何回もノミネートされてるので遅かったくらいでしょう。

恩田さんの作品も面白いのでまた読みたい、最近読んでない。

今回読んだのは森見登美彦・作「夜行」です。

森見さんはだいたいコミカルな小説を書かれるんですが今回はホラー。

以前もホラーは書かれていたのでこれもこの流れなのかなと思ってました。

以前のホラー作品はだいぶ昔なのでいまいち覚えていないんですけど、そこまで怖かった印象はなかったんですよ、不思議でちょっと怖い感じでした。

しかし、今回は結構ちゃんとホラーしててびっくり。

っていうか本の表紙とあんまり合ってないくらい怖いシーンやグロいシーンがあった。

表紙はもうちょっと怖くしてもいいのではと思った。

それにしても、ちょっと前に読んだ「アミダサマ」に続きなぜ私は真冬にホラーを読んでしまったのだろう。

作中も夏だし、これも夏に読むのがオススメですね。

内容は連作短編形式になってます。

「鞍馬の火祭」に集まった男女が昔行方不明になった女性を思い出し、そこから関連した銅版画の記憶から、旅でであった不思議な話を一人一人話すといった流れです。

森見さんなので京都がメインででてきますが今回は別の地域の話も出てきます。

それぞれの短編のタイトルがその地域の名前でした。

タイトルは「尾道」「奥飛騨」「津軽」「天龍岬」「鞍馬」です。

個人的には「尾道」と「奥飛騨」が特に怖かった。

普通に語ってるけどこの後どうしたんだろうってすごく気になる。

作中に出てくる銅版画も想像だけでも怖い。

そしてやっぱり表紙のイラストと合ってなさすぎる。

ほんわかしてるから、中身ももっと不思議でちょっと怖いだけかなと思ったのに。

まあ、とはいえラストのラストはわりとほんわかというか明るさもあるハッピーエンドなので全く無くはないのですが。

さっきも言いましたがやっぱりこの小説は夏に読むのがオススメ。

冬が舞台の記憶短編もあるのですがやっぱり暑い夏にゾゾっとしながら読むのが正しい読み方な気がします。

ラストの話は特に、お祭りの夜のなんだか異界に繋がってそうな不穏な感じで夏に読みたかったなと思いました。

でも、こんな真冬に夏を感じられたのでそれはそれで良かったかなとも思いました。


夜行」 森見登美彦・作



テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

「死神を葬れ」ジョシュ・バゼル・作 池田真紀子・訳ゆ

全米ベストセラーの超絶メディカルスリラー、上陸。主演レオナルド・ディカプリオで映画化!!

と文庫の帯にでかでかと書かれていました。

おお!と思ったのですが。よく見ると2010年って書いてあります。

今までこんな映画やってたっけ?と思ったのですが思い出せず。

調べて見ても出ず(笑)

映画化しますよのニュース記事はあるものの公開のニュース記事は無く、もっと調べてみたらディカプリオがドラマの放映権を買ったというニュースがあるくらいでした。

しかしそのニュースも2014年・・・・

いま2017年ですから!!残念!!

いや~ほんまに残念です、映像化してたら是非とも見たかった。

それくらい面白かったです。

なんていうか本当に映像化に向いた小説って感じの内容で、アメリカらしいユーモアもありスピード感とダイナミックさも併せ持っていて面白かった。

本のあらすじにはこう書いてありました、ーー「病院勤務は悪夢だ」挨拶がわりに僕らはこう言う。研修医の地獄のシフトじゃ睡眠時間は当然不足、疲労は無限。クスリでもキメなきゃやってられない。しかもその日の入院患者が最悪。マフィアのそいつは知られてはならなぬ俺の過去を知っているのだーーーー

とまあこんな感じ、なので私はアメリカドラマで一時期流行った「ER 緊急救命室」のサスペンスバージョンだと思ったんです。新人の研修医が何かに巻き込まれて解決していく的な感じのお話しだと思ったのです。

だけど全然違った。

まず主人公がなんかやたらにワイルドなんです、お医者さんといえばなんだか草食系をイメージします、最大にワイルドにしても「ER」に出てきたジョージ・クルーニーぐらいしか思い至りません。

ところが主人公はいきなり冒頭から襲ってきた強盗を一発で倒してしまいます。

あれ?お医者さんってこんな強かったけ?と思っていたら次に出てきた、製薬会社のおねーさんからキスの代わりにクスリ(多分合法)を手に入れてキメたりで、しかも主人公にはがっつり刺青も入っている。

舞台の病院もなんだか問題がありそうで人種問題とかそもそものアメリカの医療問題の悪質さとかも合間って病院が舞台のはずなのにスラム街にいるようにしか見えない(笑)。

少なくとも私はこの病院には入れられたくないなと思いました(笑)

それでそのまま読んでいくとどうやら主人公の過去を知っているらしきマフィアが出てきて、主人公が過去に殺し屋だった事が判明します。

ますますスラム街っぽい!!

ここから主人公の過去の話と現在の話が交互に語られラストに向けて疾走していきます。

どちらかというと「ER 緊急救命室」と「ボーンアイディンティティー」を足して二で割ったようなお話しでした。

だから主人公をもしあてるならディカプリオじゃなくてマッド・デイモンの方が合ってるような気がします。

もちろんディカプリオもいい役者さんなのですが、アクションは正直向いてなさそう。

本の主人公も強くて頭の回転も速いのですがちょっと情けない感じがあってやっぱりマッド・デイモンの方が向いてるんですよね~いやディカプリオでもその役はちゃんとできると思うんですけど。

ユーモアもあってアクションもとなるとやっぱりマッド・デイモンの方がいいと思うんですよ「オデッセイ」でもいい感じにユーモアのある芝居をしてたし。

正直本を読んでる時は頭の中ですでにマッド・デイモンを配役して読んでました。

ちなみにその中で感じの悪いフレンドリーって名前の医者が出てくるんですがその人はジョン・マルコビッチで配役して読みました。読んでみたらわかると思いますが絶対にこっちの方が合ってる思います。

まあ、とはいえ映画化の気配もドラマ化の気配も今のところありませんが(笑)

最後の解説には作者は続編を執筆中と書かれていまして、続きがあるなら読みたい!!と思ったのですが・・・・それも今のところ出てない。アメリカでは出てるけど日本では出版されてないのかもしれませんが。

ちなみにこの本は2009年に出版されています。・・・今、2017年・・・

・・・いや、まあ・・・いいんですけどね、小説の世界ではよくある事です。

でも小説は面白かった、作者は医学の勉強もされていたそうで病院の描写は専門的で詳しくて臨場感もありますしトリビア的知識も入るし、 ストーリーもグイグイ読ませてあっという間に終わってしましまいた。

何より主人公がかっこいいのが良かった。

結構簡単に人を殺すし合法非合法を問わずクスリをキメるし下半身もゆるくて倫理観とかあんまりないやつなのですが。

とりあえず強い!頭も良くて何より根底にはちゃんとした正義感とか優しさもあったりしていい奴なんです。

シリーズ化したら本当に面白そうなのにな~

なので作者様、続編期待しています!!



死神を葬れ」ジョシュ・バゼル・作 池田真紀子・訳





テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

「アミダサマ」 沼田まほかる・作

だいぶ遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

新しく年が明けましたが、今年も新旧問わず色々本を読んでいきたいと思います。

今年一冊目は沼田まほかる作の「アミダサマ」です。

ホラーです。

なぜこの本んを読もうと思ったかと言うと、特に深い理由はありません。

正直真冬にホラーは合わへんな~とも思ったのですが積ん読の山を漁っていたら目に入って、なんとなく読みたくなったので読みました。

今年は一段となんだかぬるっとした入りになりました(笑)


沼田まほかるさんの本を読むのはこれで三冊目です。

相変わらずずっしりと心に残る小説を書かはる人やなと思いました。

ストーリーは二人の男が冷蔵庫に捨てられた幼女を見つけるところから始まります。幼女の名前はミハル彼女はやせ細っていて喋ることもできない状態でした。
話は二人の男の視点で語られていきます。一人は僧侶で筒井浄鑑、彼が寺にミハルを引き取り育てます。もう一人は工藤悠人、悠人は普通のサラリーマンなのですがある日突然ミハルの声なきコエに導かれてミハルを探し出し救います。悠人はミハルに出会うことで人生が一変してしまいます、しかし浄鑑はこれはいけないことが起こると感じ。悠人とミハルを引き離します。しかしだんだんと寺や町で良くないことが起きるようになり、離れている悠人の人生も歪んで来てしまうのです。

読み始めた時は、ホラーだからもっとおどろおどろしいのかと思ったんですけど、読んでみると意外にそうでもなくてどちらかと言うと神秘的な感じでした。

しかし・・・・最初だけでしたけどね。

途中から怖い!

ジワーっと日常が何か何者かに侵食されていく描写がなんとも気持ち悪くて読むのが辛いくらいでした。

これは小説だと言い聞かせて読み続けました、そうでもしないと小説の中に引き込まれそうな感じがして余計怖かったからです。

怖いな~と思いながらラストに向かって行くと、今度はまただんだんと神秘的な感じになっていき怒涛の結末。

今回は文庫で読んだんですがそこにのっていた解説に作者は曼荼羅を小説で書いたんだと解説されていて。

確かにと思いました。

僧侶が出てくるので仏教のことは出てくるのですが、それを差し引いてもなんだかこの小説は神々しいものがあります。

理屈ではなく感覚であの世と言うものを表現したかったんじゃないかと思いました。

読み終わった直後はハッピーエンドだなと思ったのですが、でも真を開けて考えてみるとそうでもないかもと思えるラストでまたもやあの恐怖が繰り返されるのかもと思ってちょっとゾッとしたり。

怖いだけではなくちゃんと考えさせる内容で面白かったです。

でもやっぱり読むのは冬より夏の方が良かったかもしれません(笑)


「アミダサマ」 沼田まほかる・作










テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

「モラトリアムシアター produced by 腕貫探偵」 西澤保彦・作

大変です変態です。

ってぐらい変態が一杯出てきます、いや変態というより特殊性癖と言った方がいいかもしれません。

しかも人間関係がドロドロ、今年話題になったゲス不倫なんか目じゃ無いぐらいドロドロ。

登場人物が多くてややこしくて最初の方は読むのが辛かったです

しかし何が一番辛かったかというと主役というか語り手がマザコンで熟女好きというキワモノだったこと、正直キモイ。

その上自分の母親に真剣に性的興奮を覚えたとか言っててドン引き。

この小説はある私立女子校が舞台その教師と妻たちが繰り広げる愛憎劇に語り手の変態・・・いや新任教師の住吉ミツヲが巻き込まれていくといったお話。ミステリーです。

なんですけどさっき言った通り主役の特殊性癖が目立ちすぎて辛かった。主人公はしかも優柔不断で頼りなくって事件の重要なことを知っているようなのにすぐ記憶喪失になるししかもそんな変な状況なのにそのことに対しても疑問を持たないし。読んでてこんなにイライラしたのは久しぶりです。

この本を読もうと思ったのは腕貫探偵シリーズを以前読んでて好きだったのでそのシリーズの一冊だと思って買いました。しかし腕貫探偵があんまり出てこなくてちょっとしょんぼり。

まあ、このシリーズは安楽椅子物なので長編になったら出番が少ないのはしょうがないかもしれませんが、ちなみにその他の腕貫探偵シリーズは短編集で出ています。

そして私は読んだことがないんですが他の小説の登場人物も出ているようです。『必然という名の偶然』だそうです。

小説の内容に関して、色々イライラするとか書きましたが結論を言うととても面白かったです。

最初はゴチャゴチャしててわけがわからなかったんですが、最後で怒涛の展開。

どんな結末になるのか全く予想できなくて結果、本当に全く予想のつかない結末だった。

しかし、よくあんなこと思いつくなってくらいゴチャゴチャ混乱状態でわけがわからないものを最後には綺麗にまとめられていて凄いなと思いました。

色んな要素が重なり合っていていくつかあれはなんやったんやろうっていう伏線はあったものの。終わってみるとまあいっかと思うぐらい色々てんこ盛りでした。

主人公もなぜ記憶喪失になるのかとか重要なことをスルーしがちなのも最後に理由がわかってスッキリしました。

ただ変態でキモイ主人公がピチピチの女子高生とお付き合いできるという結末には納得いかない。
とはいえ読み終わってタイトルを読み直すとなるほどとなりました、だからモラトリアムなんだなと。

知りたい方は是非読んでみて下さい。

色々な感情に振り回される小説でしたが、これぞまさにエンターテイメントだ!なお話でした。

オススメです。

「モラトリアムシアター produced by 腕貫探偵」 西澤保彦・作



今年はこのブログはこれで終了です。来年も色々本を読んでいきたい、そしてシャツも描いていきたいと思います。なので来年もブログ読んでいただければ幸いです。

それでは良いお年を。












テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。